からかい?いじめ?
■リベルタのあるスタッフの「山村交流お手伝い体験記・2」です。
普段はとても大人しいが、時として突然気持ちを爆発させる中学生のA君がいました。このA君に最近新しいあだ名が付きました。しばらくしてそのあだ名がみんなの間に広まっていったときのこと。突然そのA君から、「先生、D君のこと殴っていいか?」という相談がありました。よくよく話を聞いてみると、その“あだ名”をみんなに言われることが嫌だということ、そして、特にその“あだ名”をいつも言っている同級生のD君に怒りの矛先が向かったようでした。
ただA君の話を聞いていて気になったことがありました。A君がそのあだ名をみんなに言われることが本当に嫌だという気持ちを持っていることを、ほかの子どもたちは知らないということでした。A君も、ついつい愛想笑い?をして、直接嫌だとは言っていませんでした。
そこで、A君と相談したことは、「D君が、A君がそのあだ名を本当に嫌がっていることを知っていて、それでもあえてそのあだ名を言うのなら、それは良くない。悪意がある。しかし、もし知らずに言っていたのならそれは悪意があるとはいえないと思う。だから、今日みんなの前で、自分がそのあだ名で呼ばれることが本当に嫌だと言うことをきちっと言おう。それでもあえてその「あだ名」を言うのであれば、それは悪意があるとはっきりする。そうしたらまた相談しよう。」
彼は納得し、みんなの前で、その「あだ名」を言われることが心底嫌いということをみんなに伝えました。私も「本人が本当に嫌だと言っているのに、あえて言うのは悪意がある。今まではみんなも彼がこのあだ名が嫌いだとは知らなかっただろうから仕方がない。でも今日A君がこのあだ名を嫌いと言うことが分かったから、今日からはみんな気をつけよう。」とフォローしました。
結局子どもたちも特別悪意を持っていた訳ではなかったので、この問題はこの後何事もなかったかのように収まってしまいました。上手く解決できて安心しました。
【追記】
「からかい」、「いじめ」はとてもデリケートで難しい問題であると思います。今回は「いじめ」とまでは至っていない情況でしたから、子どもたち自身でこの問題を解決してくれました。今回の件で、私がもし「みんながA君をいじめている」と決めつけていたら、逆に問題がこじれていたかもしれないと思います。しかし現実問題としては、個々の判断は非常に難しいです。今回は、勝手に私の方で判断せず、まずみんなにA君の気持ちを伝え、その上でみんなの行動を観察するという方向で対応し、たまたまうまく解決できました。しかし別の機会でも同じように上手く解決できるかどうかは分かりません。
自分自身のことを上手く表現したり、気持ちを整理したりすることが得意な子はそう多くはいないと思います。うまくできないのが普通だと思います。ある種の親しみを表現するときに、「からかい」という手段をとる場合もあります。(これは子どもの世界だけではありません。)だからこそ、その想いをどのようにくみ上げて対応していくかということが大事になりますが、現実は言葉でいうほど簡単ではありません。とても難しい問題だと思います。





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